パンデミック(世界的大流行)が起こったら、日本でも約2ヶ月で64万人が死亡するだろうと予想されている新型インフルエンザ。 その脅威はすぐ目の前に来ているのかも知れない。そのための準備はできているのだろうか?
「新型インフルエンザ」って・・・?
【新型インフルエンザとは】
近年、アジア特に東南アジアを中心にして、ニワトリなどの間で「高病原性鳥インフルエンザ」が流行しており、このウイルスがヒトに感染し、死亡例も報告されるようになってきています。
この鳥インフルエンザは、もともとカモなどの水鳥がウイルスを保有し、そのウイルスがニワトリやアヒルに感染して症状が現れるトリの病気で、通常、ヒトに感染することはなかったのですが、ウイルスの変異(性質が変わること)によって、これまでヒトに感染しなかったインフルエンザウイルスがヒトに感染するようになったのです。これが、現在、東南アジアなどで流行している「高病原性鳥インフルエンザ」です。通常はこの段階ではヒトからヒトに感染することはありません。
そして、このインフルエンザウイルスが、トリやヒトの体の中で変異したり、ブタやヒトの体の中で混ざり合うことにより、ヒトからヒトへ感染する新型ウイルスになることがあります。このヒトからヒトへ感染する新型ウイルスによって引き起こされるインフルエンザを「新型インフルエンザ」といいます。
【症状は】
新型インフルエンザに変異することが懸念されている高病原性鳥インフルエンザの症状としては、これまで東南アジアなどでの事例では、発熱、咳など、ヒトの一般的なインフルエンザと同様の症状に加え、下痢を認めた例もありました。
また、致死率は60%以上と極めて高く、肺炎が主な死因となっています。
しかし、高病原性インフルエンザウイルスが人から人へ感染する新型インフルエンザウイルスに変異した場合、その症状の程度は、現在のところ予測が困難です。
一般のヒトのインフルエンザは、咳などの呼吸器症状や突然の発熱、倦怠感などの全身症状が現れます。また、現在、新型インフルエンザに変異することが懸念されている高病原性鳥インフルエンザは、ヒトに感染した場合、一般のヒトのインフルエンザと同様の症状に加え、下痢や結膜炎などの様々な症状がみられます。
【予防法は】
新型インフルエンザの感染経路は一般のインフルエンザと同様に、感染したヒトの咳やくしゃみ、つば(唾液)などの飛沫とともに放出されたウイルスを、鼻腔や気管などから吸い込むことによって感染(飛沫感染)すると考えられます。
このため、新型インフルエンザであっても、その予防法は一般のインフルエンザと同じです。皆さんも、日頃から次の点に気をつけるよう心がけましょう。
1. 外出後は、うがいや手洗いをすること。
2. マスクを着用すること。
3. できるだけ人混みや繁華街への外出を控えること。
4. 十分な休養をとり、体力や抵抗力を高めること。
5. 日頃からバランスの良い栄養を摂ること。
6. 部屋の乾燥に気をつけ、適度な湿度(50〜60%)を保つこと。
7. 海外渡航の際には、特に高病原性鳥インフルエンザの発生状況に留意し、前記の予防策を徹底すること。
「パンデミック」とは?
新型インフルエンザがもし発生した場合、基本的にすべての人々は、そのウイルスに対して抵抗力(免疫)を持たないため、新型インフルエンザはヒトの間で、広範にかつ急速に感染が拡がると考えられます。さらに、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、短期間に地球全体にまん延すると考えられます。この世界的大流行を「パンデミック」といい、この可能性が示唆されています。
これまでのパンデミックの例
これまでもインフルエンザの新しい型のウイルスが引き起こしたパンデミックとして、次のような例がありました。
発 生 年 名 称 死亡者数
1918年(大正7年) スペインインフルエンザ 2000万〜4000万人
1957年(昭和32年) アジアインフルエンザ 100万〜400万人
1968年(昭和43年) 香港インフルエンザ 100万〜400万人
※なお、スペインインフルエンザが流行したときには、日本でも39万人が死亡したといわれています。
以前は報告されていなかった、「高病原性鳥インフルエンザ」のヒトへの感染が現実化し、さらにヒトからヒトへの感染も時間の問題となってきているなか、飛行機による短時間・大量移送を可能としている環境は間違いなく新型インフルエンザによるパンデミックを発生させる条件を整えているといえます。
2002年11月に中国南部の広東省に端を発し、世界規模の集団発生で初めて発見されたサーズ(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群)の例も正に高速大量交通機関が生み出したものでした。
そんな新型インフルエンザによるパンデミックに対して、我々一人ひとりが今からその発生を前提として、それを乗り越えていくための準備を進めていくことが必要な時期にきているのです。
スポンサード リンク
スポンサード リンク
WHOが分類した新型インフルエンザパンデミックの6つ段階(フェーズ)によると、現在は「ヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、ヒトからヒトへの感染は現在無いかあるいは極めて限られている」というフェーズ3にあるといいます。
WHOの2005年版分類による パンデミックフェーズ
フェーズ1 (前パンデミック期) ヒトから新しい亜型のインフルエンザは検出されていないが、ヒトへ感染する可能性を持つ型のウイルスを動物から検出
フェーズ2 (前パンデミック期) ヒトから新しい亜型のインフルエンザは検出されていないが、動物からヒトへ感染するリスクが高いウイルスが検出
フェーズ3 (パンデミックアラート期) ヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、ヒトからヒトへの感染は現在無いかあるいは極めて限られている
フェーズ4 (パンデミックアラート期) ヒトからヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、感染集団は小さく限られている
フェーズ5 (パンデミックアラート期) ヒトからヒトへの新しい亜型のインフルエンザ感染が確認され、大きな集団発生がみられる。パンデミック発生のリスクが高まる
フェーズ6 (パンデミック期) パンデミックが発生し、一般社会で急速に感染が拡大している
後パンデミック期 パンデミックが発生する前の状態へ、急速に回復している
フェーズ3ならまだ大丈夫なんて思わないでください。
フェーズ4になったら、サーズの例でも判るように、フェーズ6はすぐにやってきます。
フェーズ3から4への移行をどれだけ遅れさせることができるかがポイントでしょう。
今年に入ってからフェーズ4に近づいてきていることを示唆するニュースも入っているのです。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
鳥インフルエンザが人から人に感染し死者が出たのは、これまで東南アジアを中心に数例報じられていた。中国衛生省が10日、
南京市の男性が、鳥インフルエンザ(H5N1)に感染・死亡した息子から感染したと発表。専門家の間では鳥インフルエンザが人に
感染しやすく変異した「新型」の発生が時間の問題といわれており、日本上陸も現実味を帯びてきている。
実は、日本でも最悪のケースを想定して、シミュレーションがされている。
《1人のビジネスマン(東京在住)が海外出張先で鳥インフルエンザの「新型」に感染して帰国。だが、感染に気づかず電車で会社
に通勤した場合、帰国から10日目には首都圏で22万4000人が感染。京阪神にも飛び火し、2万4000人が感染する》
国立感染症研究所はこのように、人に免疫がない「新型」がまたたく間に全国へと広がると予測。厚生労働省は国内で1人の
発生から2500万人が感染して病院に行き、約2カ月で64万人が死亡すると推計している。
(2008年1月11日 産経新聞)
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
日本政府も具体的な対策を進めています。
◎「新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議」
◎ 国・自治体としての対策
◎ 個人でできる対策
◎ 事業者・職場でできる対策
◎ 新型インフルエンザ対策行動計画
◎ 「新型インフルエンザ対策ガイドライン(フェーズ4以降)」について
新型インフルエンザ専門家会議がまとめた、「個人および一般家庭・コミュニティ・市町村における感染対策に関するガイドライン」からそのポイント抜粋します。
【新型インフルエンザ発生前に準備すべきこと】
(1)うがい・手洗い・マスクの励行
新型インフルエンザに対する対策は通常のインフルエンザ対策の延長線上にあります。
・熱、咳、くしゃみ等の症状のある人には必ずマスクを着けてもらうこと、
・このような人と接する時にはマスクを着けることが大変重要です。
咳やくしゃみをおさえた手、鼻をかんだ手は直ちに洗うことも必要です。これらが、インフルエンザ予防のために必要な「咳エチケット」です。
外出後の手洗いを日常的に行い、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることも重要です。
「咳エチケット」
〇咳・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ1m以上離れる。
〇呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュをすぐに蓋付きの廃棄物箱に捨てられる環境を整える。
〇咳をしている人にマスクの着用を促す。
マスクはより透過性の低いもの、例えば、医療現場にて使用される「サージカルマスク」が望ましいですが、通常の市販マスクでも咳をしている人のウイルスの拡散をある程度は防ぐ効果があると考えられています。
一方、健常人がマスクを着用しているからといって、ウイルスの吸入を完全に予防できるわけではないことに注意が必要です。
*マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用する。
(2)食料・水・日用品の確保・備蓄
パンデミックは日本だけのものではなく、海外でも同時に発生しますので、海外で大流行すれば、輸入が減少したり停止することによって、種々の生活必需品も不足して、手に入らなくなることがあります。
パンデミックになると、このような生活に欠かせない活動にも影響が出ることも想定されますし、感染を防ぐためには不要不急の外出をしないことが原則であることから、災害時と同様に外出しなくても良いだけの最低限(2週間程度)の食糧・日用品等は準備しておくのがよいでしょう。
(3)発熱時の対応の相談
本人、家族が感染し、一定期間の自宅待機になった場合、こどもの学校が長期に休みになった場合、また勤務状況の変更が余儀なくされた場合などで、どのように家庭内で役割を分担し家庭を維持していくか、などについて、各家庭で計画を立てておくことが勧められます。
また、突然仕事を休まねばならなくなった時の連絡についても勤務先と相談しておくべきでしょう。
【新型インフルエンザ発生後に取るべき対応】
(1)情報収集
情報には、
(1)国・地方自治体の提供する情報、
(2)企業が提供する情報(商業ベースのものとそうでないものがある)、
(3)マスコミが提供する情報、(4)噂・デマ情報などがあり、媒体も広報・新聞・雑誌・テレビ・インターネットなど様々です。
しかし、中には情報の信憑性・根拠に関して問題のあるものもあり、特に噂情報には虚偽のものが含まれることが多く、こうした情報を過度に信用してパニックが起こらないように正確な情報を収集し、冷静に対応することが重要です。
(2)発症者の家庭における留意事項
発熱・咳・全身痛など通常のインフルエンザと思われる症状がある場合、事前連絡なく近医を受診すると、万が一新型インフルエンザであった場合、待合室等で他の患者さんに感染させてしまう「二次感染」のおそれがあります。
その場合はまず、保健所等(発熱相談センター)に連絡し、都道府県等が指定する医療機関など(発熱外来など)を受診して下さい。都道府県や、市町村、保健所から、情報が提供されますので、随時チェックをするようにしてください。
*発熱相談センター:
発熱を有する患者さんからの相談を受ける施設。都道府県・保健所を設置する市又は特別区が保健所等に設置する。
*発熱外来:
発熱を訴える患者さんに対し、直接通常の外来を受診するのではなく、他の症状の患者さんから隔離した場所で外来診察を行うシステム。
新型インフルエンザ感染・発症を否定されれば通常の外来での診察になり、新型インフルエンザであれば感染症指定医療機関等に入院措置等が取られる。
特に自分自身が発熱・咳・のどの痛みなどの「かぜ症状」を呈した場合には、その症状が新型か否かにかかわらず、インフルエンザによるものか否か、またインフルエンザであってもどの型であるかは、検査をしなければ分かりません。したがって、上に挙げたような医療機関を受診する必要がありますが、医療機関を受診するときはもちろん、外出時、家庭内でも、咳をする際には「咳エチケット」に十分注意をして、周囲に感染させないように心がけることも必要となります。
(3)医療の確保への協力
パンデミック時には一時的に大量の医療に対する需要が起こるため、医師を始めとする医療従事者や薬剤・医療資材の供給体制等、医療を支えるインフラが極端に脆弱になることが予想されます。
また、パンデミック時であっても、生命に関わる救急の患者さんや人工透析などの継続的な治療が必要な患者さんもおられます。
したがって、不要不急の医療機関受診や軽症での救急車要請は控えて、通常の医療の確保に協力することが重要です。
(4)不要不急の外出の差し控え
感染拡大を極力回避するために、食料等の生活必需品の買出しや独居家庭への見回りなどのやむをえない外出以外の不要不急の外出は極力差し控えることが望まれます。(地域によって事情が異なることが多いため、市町村が主導となり、各コミュニティ等で自主的に決定する)
【個人での備蓄物品の例】
○食糧(長期保存可能なもの)の例
主食類
米
乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料
その他
レトルト・フリーズドライ食品
冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
インスタントラーメン
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
ペットボトルや缶入りの飲料
○日用品・医療品の例
常備品
常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏(大・小)
ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど) 薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。 購入時に医師・薬剤師に確認してください。
対インフルエンザ対策の物品
マスク
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコール
通常の災害時のための物品(あると便利なもの)
懐中電灯
乾電池
携帯電話充電キット
ラジオ・携帯テレビ
カセットコンロ・ガスボンベ
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
キッチン用ラップ
アルミホイル
洗剤(衣類・食器等)・石けん
シャンプー・リンス
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
生理用品(女性用)
ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)
スポンサード リンク
【プライバシーポリシー】当サイトは、サイト内の広告利用状況の集計のために、クッキー、ウェブ・ビーコンといった
汎用技術を用いています。取得したホスト情報などは広告利用状況の集計にのみ利用することをお約束いたします。